斉藤佑介
拡大する上野由岐子選手からの色紙を手に笑顔を見せる福岡大付属若葉高校ソフトボール部の3年生たち=2020年7月15日午後5時18分、福岡市中央区、斉藤佑介撮影
5月27日午後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校が明けた後の福岡大付属若葉高校(福岡市中央区)。女子ソフトボール部員が食堂前に集められた。「怒られるのかな」。みな不安げだった。
全体練習が始まったばかりの時期。目標にしていた高校総体の中止が約1カ月前に決まっていた。円陣の中心で、監督の粂本健さん(57)が話し始めた。
「お前たちも肩を落としているだろう。私にはこういうことしかできないけれど……」。粂本さんはマネジャーを含む3年生13人に、一人ひとり色紙を手渡していった。
「えっ」「マジで?」。色紙を受け取った選手の表情が明るくなり、歓声が続く。20年前、同じグラウンドで練習していた先輩、上野由岐子さん(38)のサインだった。色紙には部員の名前が添えられ、裏に文章がつづられていた。
拡大する上野由岐子選手からの色紙の裏には、後輩たちへのメッセージがそれぞれ直筆で書かれていた
《ひとにはできることと できないことがある できないことをなげくより できるひとをうらやむより できることを精一杯 できることに感謝しながら》
北京五輪の金メダル獲得に大きく貢献した上野さん。後輩たちへのメッセージは、その栄光の後、上野さんが自分を見つめ直した経験から考えたことでした。
「できることを精いっぱい。心…
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