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 新型コロナウイルスの感染を防ぐため、皆が家の中に閉じこもる。「ロックダウン」という未知の経験の中で、イスラエルの作家エトガル・ケレットが一つの短編小説を書きました。翻訳全文を掲載します。

拡大する写真・図版「外」を原作にした映像作品「OUTSIDE」に出演する森山未來(C)Noam Levinger

エトガル・ケレット 「外」

 夜間外出禁止令が解除されてから三日経つが、明らかに誰も家から出て来ようとしないのであった。よくわからない理由で、一人きりであろうが家族とであろうがみんな家の中に留まりたがったのだが、おそらくはただ単にあらゆる他人から離れていたかったのだろう。かなりの長い時間を家で過ごした後ゆえに、今ではみんなこれに慣れてしまっていた。仕事のために出勤しないこと、モールに買い物に行かないこと、カフェで友達と会わないこと、大学時代の元クラスメイトに不意にふわっとした握手をされるなんてことがないことに。

 政府は人々が適応するのに数日間の猶予を与えたが、事態の好転が見込めないということが明らかになると、もう選択の余地はなかった。警察や軍隊がドアをノックしては人々に家から出るように命じ始めた。

エトガル・ケレット 1967年イスラエル生まれ、テルアビブ在住。邦訳に短編集『突然ノックの音が』やエッセー『あの素晴らしき七年』など。40カ国以上で読まれている

 120日間の隔離生活のあとだ…

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