[PR]

 中国・武漢市。租界時代の洋館が多く残る漢口地区の大通りを一本入った路地に、その店はある。「長野屋」。店長の梁愛紅さん(40)は今日ものれんを掲げ、赤ちょうちんをともして客を待つ。

 中国南部・広東省の出身。約20年前に、多くの日本人が住む省都広州市の日本料理店で働いていた。そこで出会ったのが、料理人として修業していた武漢出身の施顕峰さん(40)。日本人板長のもとで本格的な味を学ぼうと励む姿に好感を持った。2008年1月に2人は結婚。それを機に顕峰さんは独立、故郷の武漢で念願の日本料理店を開いた。

 当時、武漢市内に日本料理店は数えるほどしかなかった。やさしい味わいのだし巻き卵、だしから丁寧に作るみそ汁やうどんなど、顕峰さんの確かな腕と、愛紅さんの明るく気さくな対応に、日本人駐在員を中心に常連客が増えていった。すしに天ぷら、寄せ鍋にレバニラ炒めなど、メニューも充実させ、店の座敷は連日埋まる人気店になった。従業員も増やし、店の壁には、笑顔の客の写真が一枚、また一枚と増えていった。

 10年には長男、19年には次男が生まれ、家族が増えた。開店から12年となる今年は、記念イベントを開いてお客さんに喜んでもらおう。夫婦でそんな話をしていた矢先、新型コロナウイルスの感染が武漢で拡大した。

 春節直前の1月23日には都市…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら